2020年8月7日金曜日

オンラインセミナー:スペアパーツ製造におけるデジタルプロダクションの活用~従来製造手法との比較とその利点

コロナ禍で見直されているデジタルプロダクションの活用と利点とは

コロナ禍での医療現場における人工呼吸器のデジタルプロダクションにおいては3Dプリントが要件とスピードの点でも注目されたところですが、スペアパーツ(補給部品)には、1)在庫が少量、2)(故障・補給が予期できないため)緊急を要する、3)古すぎて技術仕様の準拠しない、といった課題があります。パーツによっては、50年前の2D図面や、80年前に造られた現存の物理部品からの作成となり、設計、リバースエンジニアリング、スキャン機能の活用が必要となることもあります。

設計の過程で、部品の技術仕様とその体積とサイズに応じて、常に可能な限り最大のコスト削減を考慮して、部品の製造に使用する技術を決定することが肝要です。

本ウェブセミナーでは、7つのケーススタディにて、従来の製造方法(CNC、真空鋳造、射出成形、板金など)とデジタル(3Dプリント、リバースエンジニアリング)での製造手法との比較を行い、スペアパーツ製造における重要な検討項目を考察します。


▼ このような方々におすすめのセミナーです▼
  • スペアパーツの非効率な在庫管理を見直したい
  • 少量多品種なスペアパーツの生産をしたい
  • 迅速にスペアパーツの生産を開始したい
<開催日時>  2020年  8月26日  (水) 14:00~15:00(終了時間は前後する場合があります)

■お申込み
事前登録制  お申込み専用ページ


 

2020年8月5日水曜日

Wrap 2021新機能ハイライト4:メッシュ

3Dスキャナーからのデータを処理するソフトウェア、Geomagic Wrap の バージョン2021 のハイライトを数回に分けてご紹介しています。
  1. スクリプト - スクリプティングにまつわる改善
  2. 解析 - メッシュとサーフェースとの比較解析にまつわる改善
  3. カラー - テクスチャマッピングにまつわる改善
  4. メッシュ - 点群からメッシュへの変換にまつわる改善
最終回ハイライト4つ目のメッシュは、複数の点オブジェクトを合成して1つのメッシュを作成する新しいツール、HDメッシュ構築です。
左:従来のマージの結果、右:HDメッシュ構築の結果

従来のマージに加えて新しいメッシュ化合成ツールとしてHD(High Definition:高解像度)メッシュ構築が登場しました。これはマージと同じく複数の点群オブジェクトを1つに合成し、且つメッシュにする機能です。マージとの違いは、欠落箇所の輪郭を延長して補間する点です。
点群からメッシュを作成する手法が2通りに


オプションには解像度フィルタとしてSD(Standard Definition:標準解像度)からUHD(Ultra High Definition:超高解像度)のスライダでメッシュでの再現精度を調整します。

HDメッシュ構築を使うことで、以前はマージ後に穴埋め機能を使って処理していた操作を削減することができ、特にロングレンジスキャナで取得した細かなクラスタに分かれたデータをメッシュにする際の後処理が格段に楽になります。

 
マージの結果:緑の輪郭線=穴が多い
  HDメッシュの結果:窓など平坦部の穴が自動補間されている


2つの異なる合成手法が搭載されたことにより、検査で使うデータであればマージを、リバースやビジュアルコンテンツに使うデータであればHDメッシュ構築を、というように目的に応じたデータを素早く作成することができます。


4回にわたって紹介してきましたWrap 2021のハイライト、如何でしたでしょうか?Geomagic Wrap 最新版は無料トライアルでどなたでもお試しいただけます。初めての方には基本操作となるデータの読み込みやデータ間の位置合わせなどの操作はソフトウェアチュートリアルページでご紹介していますのでご活用ください。
無料トライアルをご希望の方は当社ウェブサイトからお申込みください。


2020年8月4日火曜日

Wrap 2021新機能ハイライト3:カラー

3Dスキャナーからのデータを処理するソフトウェア、Geomagic Wrap の バージョン2021 のハイライトを数回に分けてご紹介しています。
  1. スクリプト - スクリプティングにまつわる改善
  2. 解析 - メッシュとサーフェースとの比較解析にまつわる改善
  3. カラー - テクスチャマッピングにまつわる改善
  4. メッシュ - 点群からメッシュへの変換にまつわる改善
今回はカラー(色)周りの改善についての新機能です。

Wrapではもともとメッシュに対して画像ファイルをマッピングする機能がありましたが、今回はマッピングの際のUV座標の定義とその調整機能が改良されました。

そもそもUV座標というのは、四角い画像ファイルをどの向きでオブジェクトに張るか、というのを決める2次座標です。Wrapでは新規にテクスチャを作成するとメッシュの曲率の高い箇所に基づいてこのUVを決めています。 例えば次のグラスの場合、湾曲した箇所で模様が分割されているのが分かります。
 
デフォルトのマッピング   UV領域別に色付け表示した結果

すでにバージョン2017において、回転形状や円筒のような幾何形状(フィーチャ)を使ってUV座標を投影して回転体や円環、球のような形状へのマッピングができるようになっていました。
 
円筒フィーチャ
  フィーチャでUV座標を定義

今回新たに追加されたのは、ここのような幾何的な形状でもない自由曲面のマッピングで有効なフラットというUV定義方法です。フラット方法では、次の図でみる靴の側面ような自由曲面にマッピングする際に、その領域の境界線内でUVを平坦化します。結果として輪郭に沿うようにマッピングされ、更に曲線をアイソカーブとして指定するとその曲線を参考にしてUVを整列することができます。
 
フラット方法では境界線内でUVが平坦化される   アイソカーブとして曲線を指定した結果

従来の手法(Geomagic方法)と比べてみると、フラットでは面の曲率の影響を受けていないことが分かります。
 
従来方法(Geomagic方法)でのUV定義   フラット方法でのUV定義


さらに今回はもう一つロフト作成という方法も追加されました。これは2本の閉じた曲線間を、ロフト面を作成するようにUV座標を定義します。図のイスのスポークのような回転形状で有用です。
 
ロフト作成方法では2本の曲線を使う   曲線間を結ぶようにUV座標が整列する


さらにUV定義だけでは補えない細かな調整を行うための、UV調整機能にもオプションが追加されました。回転やスケールが支点(アンカー)を決めて行えるようになり、クリックしてアンカー点を決めた後はクリックドラッグで回転やスケールを微調整することができます。
アンカー(Aの点)の位置を基準にスケールや回転

カラー関連のハイライト最後はイメージを投影ツールです。このツールは従来から任意の画像ファイルをオブジェクトにテクスチャとして投影する際に使われてきましたが、今回キャプチャ機能が追加されました。
新しいキャプチャボタン

これにより、すでにマッピングされているメッシュの一部を選択して投影する画像としてキャプチャすることができます。キャプチャを終えた後は投影したい場所にビューを合わせて適用します。

メッシュを選択するようになぞるとその箇所をテクスチャとして取得

スキャン中に揺れやその他の理由で一部のテクスチャが上手く撮影できなかったとしても、類似する箇所から画像をコピーして貼り付けることができますので、全体をスキャンしなおしたり、別のアプリケーションでわざわざテクスチャを作成する手間が省けます。また、穴埋め後の処理でテクスチャが欠落、歪みなどが発生した場合の修正にも役立ちます。

元の状態:右は綺麗にテクスチャが撮れているが、左は崩れてしまっている
右側のテクスチャをキャプチャして右側に投影


如何でしたでしょうか?3回目はかなり盛沢山になりました。。。2017からテクスチャマッピングがどんどん使いやすくなっていますが、今回の改善でまたさらに一歩大きく前進しました。
次回はメッシュ化機能の改善をご紹介します。

2020年8月3日月曜日

Wrap 2021新機能ハイライト2:解析

3Dスキャナーからのデータを処理するソフトウェア、Geomagic Wrap の バージョン2021 のハイライトを数回に分けてご紹介しています。
  1. スクリプト - スクリプティングにまつわる改善
  2. 解析 - メッシュとサーフェースとの比較解析にまつわる改善
  3. カラー - テクスチャマッピングにまつわる改善
  4. メッシュ - 点群からメッシュへの変換にまつわる改善
今回は解析に関する改善についてご紹介します。
3D比較で作られたカラーマップ。オリジナルと差が大きい箇所が赤や青で表示される

メッシュからサーフェースを作成した後、そのサーフェースが元のメッシュにどれくらい沿って作成するのかを確認する、解析>比較>3D比較の結果がモデルマネージャに登録されるようになりました。

適用方法やオプションは従来と同じです。解析のオリジナル(元)となるメッシュを選択して3D比較を実行し、プルダウンメニューからテストとして比較対象のモデルを選択します。
参照はオリジナルのメッシュモデル、テストは比較対象モデル

後は、カラーバーの範囲を決めて適用します。
スペクトラム(カラーバー)の範囲として、最大最小クリティカル(スペクトラムの最大最小値、この範囲外は切り捨て)、最大最小ノミナル(公差範囲)を指定し、適用をクリックします。
色を表示する偏差値の範囲を指定

さらに、解析>比較>アノテーションの作成をクリックし、偏差が気になる箇所をクリックしてアノテーション(注釈)を追加することで数値での具体的な差をみることができます。

モデルをクリックしたところの偏差が数値で表示される

今までは実行したときだけ表示されていたので、偏差を見たいときには毎回実行しなおす必要があり、比較対象が複数ある場合にもそれぞれ実行しなおさなければならなかったのですが、モデルマネージャに登録されることでこうした結果の比較も用意になりました。

2つのモデルそれぞれとメッシュを比較


比較は、メッシュとサーフェースだけでなく、点群とメッシュ、メッシュとメッシュなども行えます。点群からメッシュへの変換誤差の比較や、メッシュをスムージングした結果の確認など、幅広く使用することができます。


次回はテクスチャマッピング関連の改善についてご紹介します。

2020年第5回リバースエンジニアリングワークショップ(ウェビナー)


リバースエンジニアリングワークショップ第5回の予約受付を開始しました!


いよいよリバースエンジニアリングワークショップも最終回を迎えました。ここでは一歩踏み込んで、リバースニアリングの問題とその対応、こんなところでこんな風に使われているといった一見特殊な例なども紹介しながら進めていきます。
詳細と申込は 専用サイト をご覧ください