2018年11月6日火曜日

「ハプティクス」って知ってる?

「ハプティクス(Haptics)」という言葉を聞いたことがありますか?
Wikiによると"利用者に力、振動、動きなどを与えることで皮膚感覚フィードバックを得るテクノロジー(触覚技術)"とあります。
この言葉がよく使われるのが最近話題のVR/ARです。VR/ARではヘッドマウントディスプレイを被るというのが一般的ですが、コンピュータが作り出した「物」を視覚的に認識することはできるものの、それに触ることはできません。単純なコントローラーでは、せいぜい振動で知らせてくれる程度です。
体験者がコンピュータの中の物体に触れるようにするのが、ハプティクスデバイスです。
実はとてもホットなキーワードになっていまして、先日開催された日本バーチャルリアリティ学会では3日間のセッションのうち、ハプティクスに関するものが一番多いんです。

日本バーチャルリアリティ学会ホームページより抜粋

ハプティクスは時計や自動車などで製品化されていますが、その多くはまさに「触覚」で、物体の表面の凹凸とか、クリック感を認識させる。という微小変形のフィードバックが多いです。一方で、仮想物体を持ち上げたり(重力)、ぶつかったり(反力)する感覚をフィードバックできるデバイスは多くありません。言うならば「力覚」。その力覚デバイスのうち、世界中で最も使用されているのが当社のTouch X(もしくはTouch)です。
3D Systems社製 Touch X

もちろん触覚も表現できますが、それだけではないので他製品と同じようにハプティクスと呼ぶのではなく、「フォースフィードバック」として差別化したほうがよいのか、もしくはハプティクスの流行に一緒に乗っかっておくのがよいのかは、今後のPRで迷うところですね。

このデバイスの初期モデルが発表されたのはなんと1994年。現在のTouch Xも2000年頃にSensAble Technologies社のPhantom Desktopとしてリリースされてからずっとハプティクスデバイスのデファクトスタンダードとして活用されています。
このデバイスの生みの親、Mr. Thomas Massieをご覧になりたい方はこちら!

このビデオでも紹介されていますが、現在も当社のFreeformというモデリングツールのインタフェースとして販売しています。このFreeformは、コンピュータの中のモデルがあたかも手元にあるような感触を得ながら、粘土細工のようなモデリングができるのです。

また、VR/AR業界ではSensAbleのPhantomと言えば知らない人はいないというほどで、ハプティクスの研究をされている研究室にはほぼ導入されていると言っても過言ではありません。

実際に活用されているアプリケーションは、前述のFreeformのほか、医療シミュレーターなどがありますが、それ以外の分野で実用化されているのは多くありません。

もっとリアルなハプティクスを普及させたい。もっと多くの人にハプティクスを使ったアプリケーションを開発していただきたい。
その鍵を握るのが、これも最近話題のUnity(https://unity3d.com/jp)です。Unityは今やゲーム開発に留まらず、様々な3Dアプリケーションを開発するプラットフォームとしての地位を築いています。このUnityにTouchを組み込むためのプラグインを用意することで、より簡単に3Dアプリの中のモデルに「触る」ことができるのです。
3Dアプリのインタフェースに力覚が加わることで、操作性が劇的に向上するだけでなく、より多くのインタラクションを与えることができるようになります。

実際に開発されたプログラムも紹介されています。


Unity開発者のみなさま、ご自身のアプリにハプティクスを加えて、もうひとつレベルアップさせてみませんか!?





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