気づいたら、2021年も残り1か月を切りました。今年も1年を通して Figure 4 にご興味を持っていただいたお客様が多く、様々なお問い合わせから多くを学び、忙しく過ごすことができました。またご依頼いただいた様々なパーツの造形に際し Figure 4 に都度触れている中で、常に新しい発見があるのは非常に面白く興味深いと感じています。
前回に引き続き、スマートサポートの「作成」より、サポートの構造体についてお話ししていきます。サポートの各要素は、「チップ」、「ブリッジ」、「ピラー」、「トラス」、「ベーストラス」の5つに分かれています。今回はそれぞれ要素がサポートのどの部分のことを言っているのか説明します。
チップ:パーツに接触する、テーパがかかった部分です。パーツを直接支えるところですので、パラメータの中で最も頻繁に調整することになる要素だと思います。
ブリッジ:上記のチップ間で生成される梁の部分をブリッジと呼びます。下に説明しますトラスとは梁という形状としては同じで梁としても効果がありますが、主な目的は近接するサポート間において、サポートの幹(以下、ピラー)の部分を造形しないことによって樹脂の消費を減らすという効果になります。
サポートアンカーを比較的密に配置した場合、設定されている値に応じて 3D Sprint が自動的に生成してくれます。
ピラー:サポートの幹の部分です。通常は初期値のまま使用することが多いですが、状況に応じて太さを調整します。なおチップの太さはこのピラーの太さに対する比率で調整されますので、覚えておいてください。
トラス:サポートを支える梁です。ブリッジと似ていますが、トラスはピラー間で生成されます。トラスはピラーを梁で接続することによって強度を高め、より強固にパーツを支えます。適量がありますので、多くの場合まずは初期値のままで造形しても良いかと思います。
ベーストラス:プラットフォームとピラーを接続する基礎の部分です。ピラーのプラットフォームと接触する底部に生成される梁のようなものです。どんなに最適なサポートの設計を行っても、このベーストラスが適切に設定されていないと、造形中にパーツが支えきれずに落下することもあります。
まずは造形をしてみて失敗があれば、気になる個所を注意深く確認してみてください。気になる個所がサポートに起因するようであれば、次にサポートのどの部位で発生しているのかを切り分けてパラメータを調整していくようにすれば、自然とパラメータの動き方が理解できるようになってくると思います。一方、造形が失敗していないときも同じことが言えます。例えばパーツをプラットフォームから切り離す際の力加減からベーストラスの影響がわかりますし、パーツからサポートを切り離す際の力加減からもチップの影響がわかります。常にサポートの最適解は、現物の造形物にあると思って造形後及び後処理の際に観察してみてください。
次回はサポートの各要素について、まずはチップのところからお話しする予定です。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんのご参考になれば幸いです。
記事 AEs
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