2010年10月15日金曜日

World Dental Show 2010 ピックアップ

10月8日(金)にパシフィコ横浜にて開催されていた、第6回ワールドデンタルショーに足を運びました。
いくつかのブースにて、当社の3Dプリンターおよび光造形で作られた製品が発表されていましたので、ここでご紹介します。(以下、敬称略)


1.デンツプライ三金
 
①メタルコーピング用 3D プリンター DP3000
 
 入口すぐ左のデンツプライ三金ブース内では、様々な技工所支援のためのソリューションを展示しており、ProJet DP3000はその中のCADCAMコーナーにて、メタルコーピング対応のための3Dプリンタとして紹介されていました。デンツプライのcercon eye, cercon artから、以前はジルコニア・コーピング(切削)だけのソリューションだったのが、メタルボンドにも対応したことを正式に発表されていらっしゃいました。
 
 
技術者がかなりの時間をかけて、”スキャン->設計->プリント->鋳造”の全プロセスを検証され、「これならば大丈夫!」と太鼓判を押せるレベルになったという印象です。すでに複数の認定戦略ラボで実用化されており、臨床で使える精度を持った製品作りのサイクルに組み込まれています。
 
技工所では、最終的に作られるホテツ製品の精度と保証を求めているので、それをすべてサポートできる体制と技術を、デンツプライ三金さんは確立していました。

なお、三金ラボさんにてメタルコーピングのサービスも開始しています。
http://www.sankin-labo.com/products/metal_corping.html
 
②インプラントサージガイド用 光造形パーツ
 
 インプラントのコーナーでは、CTデータから診断用データを設計し、それをもとに光造形で製作したサージガイドのEXPERT EASE(tm) guideを展示。CADCAMやRPによって、安全で高度なインプラント上部構造の製作が可能となっています。   


2.豊通マシナリー(元DICO)
 
 センサブル・テクノロジーズ社のDental Labシステムの代理店であるDICOのブースでは、その出力部を担うProJet DP3000が展示、実演されていました。すでに国内の複数の技工所に実績があり、そこで製作されたサンプルも展示。ソフトウェアの機能により2つの製品に分けて価格を調整し、導入しやすいプライスにしました、ということでした。



3.スリーエム

 今回3M社のブースでは Lava(TM) C.O.S (Chairside Oral Scanner) 口腔内スキャナのデモが大々的に行われていました。実演を見るのは初めてでしたが、非常に高速に、また簡単に口腔内の3D画像がデジタル化されていく様には、とてもびっくりしました。
3Dスキャンにも様々な方式がありますが、Lava C.O.Sでは3つのカメラで一秒間に約20枚の3D画像データを取得しているということで、動画像で認識しているようです。また一度に取れない部分があっても、そこを何度か走査すると欠けていた部分が補間されて連続した3Dデータになるようで、歯科医がチェアサイドで使うことを考慮された操作性を目指しているようでした。

日本での発売予定は来年の秋ごろということで、まだ一年ほど先ですが、シロナもC.O.Sが発表されており、これからこの技術が一般的になると、入口からすべてデジタル化されることになり、技工のプロセスが様変わりする可能性を感じます。 凄いですね~

そうなると、印象や石膏モデルは不必要になりますが、作業模型は絶対に必要です。そのためにC.O.Sで取った3Dデータを歯科模型として作り上げるのに必須なのが、ラピッドプロトタイプです。 
3Mのブースでは、スリーディー・システムズのiPro 光造形装置で作った模型が展示されていました。

光造形で製作された歯科模型の表面の滑らかさや精度を見ると、C.O.Sで取られたデータがかなり品質の高いものであると感じます。以前のサンプルと比べて、格段に良くなっていました。


当然のことながら、クリニックですぐに3Dデータ化できれば、それを送る先は遠方でも国境を越えてもいいわけです。現在のようにインプレッションを石膏モデルにするために、現物を渡す、送るという制約はないのです。

例えばアメリカのクリニックでC.O.Sでデータを取った後、夕方にまとめてアジアのラボに送ると、アジアでは朝からデータを光造形にかけます。同時にCADでワックスアップの設計を行い、そのデータをお昼頃から3Dプリンタにかけると、夕方には”光造形の作業模型+3Dプリントのコーピングパーツ”ができることになります。アメリカ時間の次の日の朝には仕上がっているわけです。しかも1個ではなく、何十個~何百個も同時に製作できるのです。

しかしこれはRPに関係するメリットだけですので、それ以外のプロセス自動化も含めて、digital dentistry (デンタルのデジタル化)で一体どこまで変わるのでしょう?これからも目が離せません。


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