2016年11月29日火曜日

Geomagic Freeform を使ったCADデザイン③



"Geomagic Freeform を使ったCADデザイン②"の続きです。 

以下の項目でまとめています。
8. サーフェースを使った加工
9.パーツ分割
10.2D スケッチから回転形状
11.シボ加工
12.色付け
13.レンダリング
14.最後に


8. サーフェースを使った加工
カーブからサーフェースを作って、自由に形状を編集します。
4本のカーブでサーフェースを作ることができます。カーブを調整することで形状を変えます。



9.パーツ分割
製品と同じように各パーツごとに分割します。分割することで各パーツごとに編集することができるようにます。
違う素材としての表現や色を付けるときなどに効率的です。



10.2D スケッチから回転形状
2Dスケッチの断面から回転形状となるダイアルスイッチを製作します。



11.シボ加工
製品の表面処理であるシボ加工を再現することができます。
製品によっては表面に模様を入れることがありますが、ソリッドやサーフェースでは再現が難しいことも Geomagic Freeform では手軽に表現することができます。



12.色付け
各パーツごとに色付けしていきます。パーツ分割してあれば、色のバリエーションを考えるときなど試行錯誤することは簡単です。



13.レンダリング
色付けやシボ加工をした状態で、最終的な製品に近い状態を確認するためレンダリングします。光の加減や影の調整をして提案資料としても使いやすい画像にします。



14.最後に
以前、従事していたクレイモデラー歴10年以上の経験から Geomagic Freeform を使い CADモデリングを使った感想をまとめました。当時から部署内にてクレイモデリングを代替えできる仕組みを常に見直されていましたが、現状維持が最良であるという結論となり、代替えできる製品はないという結果でした。その経験を踏まえての感想となります。

これまでの Geomagic Freeform の使い道としてフィギアなどの自由形状で構成された形状を得意としていましたが、今回のテーマとなっている初期段階の機械形状までも、十分にデザインが可能であるという結論に至りました。つまり、自由形状から初期段階の機械形状までを網羅できるということになります。

Geomagic Freeform はクレイモデリングと CADモデリングの中間に位置し、お互いにに共通する"手軽ではない"という課題を解決するものと思いました。

クレイモデリングで思い通りの形状を作るには、時間と経験が必要になり手軽な手法ではないのが現状です。そして、開発の上流段階では試行錯誤の回数とスピードが重要ですが、リアルタイムに製造工程の制約を把握することができないため、制約に対して割込んでしまうことがよくありました。そのため、都度、確認するという余計な時間を必要としていました。

その点、Geomagic Freeform は直観的で感覚的な操作性と、様々な方向から形状を確認できることで習得しやすく、既存の CADデータを読み込むことができるため、制約を把握しながら作業することができます。その後の変更も少なく済みます。

その上で、Geomagic Freeform は全体的で大まかな形状から、人の手では難しい入り組んだ形状・複雑な形状もカーブを使って細やかに表現することも可能です。最終形状をイメージするための、エンボス加工で表面をシボ加工したり、素材や色を変えてレンダリングすることも可能です。

そして、形状の表面部を把握するには、光の筋(ハイライト)で把握することができます。形状がどんな状態かを見て分かるので、クレイモデリングと同等の形状再現が可能であると思いました。


CAD ソフトウェアで CADモデリングした場合、複雑になればなるほどに形状が破綻してしまうことがあります。とくに拡大や縮小をした場合には破綻する割合が大きくなります。
Geomagic Freeform は ボクセルデータでモデリングするので、形状が破綻することがありません。隣合う面と面も自動でつなぎ合せるので、作業に専念することができました。

CAD ソフトウェアにはない表面を"ぼかす"という機能があり、手に持って使うプロダクトなどに対しての手の込んだ表現ができました。

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