2017年9月12日火曜日

3Dプリンターで型作り、新しい活用方法の提案②

今回のテーマとなるインターホン


今回は3Dプリンターを使った新しい活用方法のつづきです。
3Dプリンターを成型品としてではなく、型成型としても活用していこう!汎用性のあるインターホンに対して、意匠デザインを展開していきます。

そもそも今回の内容は一人のアイデアから始まりました。
「3Dプリンターで型を作って、真空成型機を使って成型したら安いコストで意匠デザインの展開ができるんじゃ?」ということで実際にやってみました。

しかしデータを作成する前に悩まされることがあります。



悩んだ結果、海へ来ました。

・強度に必要な厚みとは
・空気を抜くために必要な穴のサイズとは
・成形した形状に影響しない穴のサイズとは
・穴の大きさ深さからどんな形状が作られるのか
・そもそも真空成型機を見たことがない

とまぁ、分からないこともありますが細かいことは作ってみてから考えようと思います。



今回使った真空成型機はNSK様にご協力いただき『Formech』を使わせていただきました。
コンパクトで分かり易くセッティングも容易なのが特徴です。


ちなみに3Dプリンターの CJP (Color Jet Printing) で出力さえたものを型として真空成型機で成型すると、穴を開けることなく真空成形することができます。 CJP は素材に石こうを使っていて、硬化させるのに接着剤を使用しています。
石こうは積層時に非常に小さなすき間が生まれるので、そのすき間から空気が抜かれる仕組みです。
形状の厚みによっては壊れる可能性もありますので、真空成型機で使う場合には注意が必要です。
ProJet CJP 660Pro の情報はコチラ

突起形状の小さな丸が並ぶ場合はご注意!


まずは2Dの作図から行いました。
使ったソフトウェアは『Geomagic DesignX』です。
こちらのソフトウェアはスキャナで測定したデータをリバースモデリングするソフトウェアで、CADモデリング機能を使ってモデリングしていきます。

2Dの作図を行うときに注意しなければいけないこととして
小さな丸いものが複数個並び、しかもそれが突起形状だとどうなるか…ということです。人によっては耐えられない形状ができてしまいます。きもち悪くならないレイアウトが必要になります。




型の安定性を増すためにリブを立てました。
形状によってはリブを立てることによって、変形を防いで精度が上がります。
リブの幅は5mmに設定しました。空気を抜く穴を避けながらリブを設置します。



作図が終了したものがこちらになります。
ドット柄・和柄(小)・和柄(大)の3種類を作成しました。



今回の和柄を作るときは肉厚がなくなってしまうと、3Dプリントしたときにバラバラになるので
その場合は角を丸めることで回避できます。
2Dの作図の時には気づきませんでしたが、3Dにすると真空成型機で成形するときに壊れてしまうことに気付きますね。


次回は、3Dプリンターでプリントしたものと真空成型機で成形したものをご紹介します!

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