2024年6月7日金曜日

Scan-to-CAD (スキャンから設計)ワークフロー

 自動車、バイク、自転車などのオートモーティブ業界では広く3Dスキャンが使われています。新しい製品開発、破損・摩耗部品の再設計、持ち運び品質検査、カスタム品やアクセサリ製造、マーケティング用のデジタル素材作成まで、その利用は多岐にわたります。何もないところから始めるより、3Dスキャンから作業することで自由度が広がり、また工程がスムーズにいく場合があるためです。

次に挙げるのは設計の一部にハンドメイドの滑らかなデザインを取り入れた Blackstone Teck 社の新しい電動バイクの製造のために行われた Scan-to-CAD の4つのステップです。


最初にハンドメイドで作成され、その後デジタル化されたパーツ

スキャン

スキャナーで両側のパーツをスキャンします。パーツは極薄の白色スプレーを塗布し、スキャンソフトウェアで初期位置合わせするためのマーカーシールをパーツに貼ります。

メッシュ化

逆設計(リバースエンジニアリング)していきます。スキャンした現物の再現性を維持しつつ、マーカーの跡を消し、欠落した箇所を埋めるなどの修正を行います。

サーフェース作成

幾何的な特徴のサーフェースを抽出し、また手加工で作成された有機形状の表面の流れに沿ったサーフェースを作成します。

3Dパラメトリックモデルの出力

幾何形状、トポロジ、モデリングの履歴、およびパラメータ値を、Fusion 360、PTC Creo、SOLIDWORKSなどのフィーチャーベースCADシステムに転送します。
Geomagic Design X を使ってサーフェース作成されたパーツ

3Dスキャナーを使うことでハンドメイド形状をデジタル化し、製造に回すことができます。組付け部は寸法の入ったパラメトリック(数値による制御可能)にモデルを作ることでCAD上でのアセンブリにも対応します。

上記に挙げたステップで活躍しているのがリバースエンジニアリングソフトウェアGeomagic Design X です。スキャンデータの取り込み、メッシュ化、サーフェース作成、パラメトリックモデルの出力まで行う、リバースエンジニアリングのためのツールです。ご興味のある方は無料トライアルでお試しください。

この事例の詳細はOQTONウェブサイトで紹介しています。
日本語表示するには、ブラウザの翻訳機能をご利用ください(マウス右クリック>日本語に翻訳)

0 件のコメント :

コメントを投稿