2018年11月16日金曜日

ラティス構造をデザインに応用する



 3Dプリンティングは、従来の製造手法では難しい形状を表現するために活用されることがありますが、この形状表現の一つに『ラティス構造』があります。ラティス構造は格子という意味になります。中が空洞になっている小さなセルで構成され、複雑なため切削加工ができない構造になっています。

今回はラティス構造についての利点やモデリング手法について説明します。


ラティス構造にすることの利点

 ラティス構造はとても特徴のある構造表現のため、新しい分野として注目されています。設計の自由度とクリエイティビティの観点から様々な用途に用いられる可能性を秘めています。その形状から得られる利点は次の通りです。

  • 金属の構造部分に取り入れることで強度を保ちつつ軽量化が図れる
    強度を持った軽量化として航空機部品として活用できる
  • 通気性や冷却効果が得られたり、果撓(たわ)みや弾力性を付与することができる
    スニーカーのアウトソールに活用できる
  • 生体の骨として代用する際に、生体適合性が高くなる
    生体の形状になじみがよく軽量である

いままで諦めていた形状も、ラティス構造を用いれば表現可能になるかもしれません。そこで今回はデザインの分野に展開してみたいと思います。


ラティス構造をデザインに取り入れる




 今回のラティス構造に加工する素材は靴のヒール部分です。
デザインとしてのユニークさもありますが、形状特性を利用し弾力性ある構造として優位性があります。


使用するソフトウェアの紹介



 使用するソフトウェアはGeomagic Freeform Plusになります。
https://ja.3dsystems.com/software/geomagic-freeform

Geomagic Freeform Plus は3Dデータを扱うソフトウェアですが、ボクセルという計算技法を使っており自由度の高い形状を、精度高く表現することが得意なソフトウェアです。



Geomagic Freeform Plusの機能の中に『StructureX』というものがあります。
この機能が選んだ形状に対して、瞬時にラティス構造を作成する機能になります。
複雑な形状でも短い時間で作成することができます。



現在のGeomagic Freeform Plusに用意されているラティス構造の種類は18種類になります。カスタムピースセルとして、一つのピースセルを準備すればオリジナルのラティス構造を作成することもできます。


作成する手順



 セルの形状やサイズなどの設定を決め『適応』ボタンをクリックすると形状が作成されます。意図した形状にならない場合はやり直しも可能なので、設定を調整しながら形状を確定していきます。



最終形状として決まったら、STLファイルとして出力することが可能ですので、そのままの形状を3Dプリンタで出力することが可能です。



いろいろな形状のラティス構造がありますのでぜひお試しください。
無料トライアルとして15日間を制限ない機能の状態で使用することができます。
お問合せやご相談はお気軽にお問合せ下さい。
Geomagic.sales.japan@3dsystems.com

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