2016年11月4日金曜日

Geomagic Freeform を使ったCADデザイン①



機械形状のプロダクトを Geomagic Freeform を使用して CADデザインを行ってみました

現在のプロダクトデザインにおいて、作図過程にインダストリアルクレイを使うことが多くあります。
今回は、クレイではなくデジタルクレイとなる Geomagic Freeform だけを使用して作図していきます。



Geomagic Freeform は、3D CADソフトウェアで使用されているソリッドやサーフェースだけではなく、ボクセルを中心に使用する3Dモデリングソフトウェアです。
Geomagic Freeform では、ソリッド・サーフェース・ボクセルを適切な用途に沿って使用することが可能です。ボクセルを使用するメリットとしては、データを破綻させることなく、使用者の意図を自由に反映し直観的で感覚的な表現を可能とします。



先ずは、これまでの クレイモデリングと Geomagic Freeform について、以前まで従事していたクレイモデラー歴10年以上の経験から、メリット・デメリットについてまとめてみました。
当時はクレイモデリングに代替えできるものを各方面から探していましたが、代替えできるものはないというのが結論でした。






クレイを使うことのメリットとして以下のことがあります。
・複雑な形状の表現が可能
・高い精度の再現性
・現物のサイズで確認できる
・トライ&エラーの容易さ

クレイを使うことのデメリットとして以下のことがあります。
・作業機材・環境の確保が必要
・一定の温度管理
・汚れることを想定した環境と準備
・大幅な変更に対して時間が必要
・熟練した技術の必要性

短い時間での開発と多くの試行錯誤が必要な現在に
クレイモデリングのデメリットを解決し、代替えできるものがいままでありませんでした。



クレイモデリングのデメリットを解決する Geomagic Freeform

Geomagic Freeformがクレイモデリングのデメリットを解決する理由として以下のことがあげられます。

・省スペースで場所を選ばない作業環境
PCを使うようなオフィス環境で作業することができます。
・直観的で感覚的な操作スタイル
ペン型インターフェースにより、直観的・感覚的な操作が可能であるため習得が容易です。
・環境による変形がない
デジタルデータのため環境による変形がありません。
・大幅変更に柔軟な対応
大幅なデザイン変更に対しては、数値入力などPC操作で変更が可能のため、変更幅に影響されません。
・CADデータの取り込み
CADデータを重ねて確認することができるので、設計要件が分かった状態で作業することができます。

以上のことを踏まえ、プロダクトデザインの上流段階にあたるデザインを"こねくりまわす"段階を実際に順を追って再現しました。
実際のプロダクト作図と同じように、設計要件・製造要件を加味した上で作業します。



Geomagic Freeform を使ったプロダクトデザインの作業手順

Geomagic Freeform を使った CADデザインの作業手順を大まかに上げるとこのようなステップになります。

1.アイデアスケッチから方向性決め
2.アイデアスケッチを2D図面化
3.設計要件・製造要件の取り込み
4.外枠を決める
5.型割りの抜き勾配を設定する
6.角を丸める
7.オフセット(シェル化)
8. サーフェースを使った加工
9.パーツ分割
10.2D スケッチから回転形状
11.シボ加工
12.色付け
13.レンダリング
14.最後に

次回はこの各項目について詳しく"Geomagic Freeform を使ったCADデザイン②"でご紹介します。

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