2021年11月12日金曜日

シリーズ<こんなにすごいぞ Figure 4>: 第9回 - サポートの設計をしてみよう - スマートサポート 2

スマートサポートについて、前回の続きです。

今回は、スマートサポートにある「解析」「作成」「変更」のうちの解析についてお話ししたいと思います。


まずそれぞれの役割について簡単に説明しますと、

  • 解析:入力された条件より、サポートアンカーの位置を計算し示してくれます。
  • 作成:サポートに対する各種設定を行います。
  • 変更:サポートアンカー位置の変更を行います。

解析を実行せず、「変更」よりゼロから任意でサポートアンカー位置を決めていくこともできます。小さなパーツであればそれで良いかもしれませんが、サポートアンカー位置を決めるにはそれなりにノウハウも必要ですし、大きなパーツであれば最初にある程度サポートアンカーの位置を決めてから変更した方が、時間も大幅にセーブすることができると思います。とは言いながら、実際のパーツは多様な面から構成されており必ずしも解析の結果が思ったようなサポートアンカー位置にならないこともありますので、「変更」よりサポートアンカー位置の編集は必要になると思います。それでも「解析」によるサポートアンカーの位置決めは作業を楽にしてくれると思います。

その「解析」の中身を見てみますと、次の項目があります。
  • 下向き平面:プラット―フォーム側から見たプラットフォームに平行な面におけるサポートアンカーの位置を設定します。
  • 傾斜:スロープ面におけるサポートアンカーの位置を設定します。
  • オーバーハング:サポートなしでパーツ本体が自分自身を支える幅を設定します。
  • 薄壁:薄壁として認識できる最薄の厚さを設定し、薄壁上のサポートアンカーのピッチを設定します。
  • シャープエッジ:シャープなエッジ上のサポートアンカーのピッチを設定します。

最もよく使うと思いますので、下向き平面のパラメータについてもう少し詳しくお話ししましょう。   
  • ポイント影響半径:特異点のない平面を例にサポートアンカーの間隔を設定します。
  • コーナーの影響半径:コーナーアンカー点からの距離を設定します。
  • 輪郭の影響半径:デザイン上の輪郭(境界含む)上のアンカーポイントの間隔を設定します。
  • 境界までのスナップ距離:境界からのアンカーの位置を設定します。

それぞれのパラメータの働きを、実際の位置を示した図で確認してみましょう。対象の個所は赤点線内()で示します。

ポイント影響半径: 2 ㎜
コーナーの影響半径: 2 ㎜
輪郭の影響半径: 2 ㎜
境界の影響半径: 1 ㎜

とりあえず、上記の値をベースとして各パラメータを変更してみます。
ポイント影響半径: 3 ㎜ ←変更
コーナーの影響半径: 2 ㎜
輪郭の影響半径: 2 ㎜
境界の影響半径: 1 ㎜

ポイント半径のみ 3 ㎜ にしました。コーナー及び境界部以外はサポートアンカー間の距離が大きくなりました。
ポイント影響半径: 2 ㎜
コーナーの影響半径: 3 ㎜ ←変更
輪郭の影響半径: 2 ㎜
境界の影響半径: 1 ㎜

コーナーの影響半径のみ 3 ㎜ にしました。コーナーからのサポートアンカーの距離が少し大きくなりました。
ポイント影響半径: 2 ㎜
コーナーの影響半径: 2 ㎜
輪郭の影響半径: 3 ㎜ ←変更
境界の影響半径: 1 ㎜

輪郭の影響半径のみ 3 ㎜ にしました。輪郭上のサポートアンカー間の距離が大きくなりました。
ポイント影響半径: 2 ㎜
コーナーの影響半径: 2 ㎜
輪郭の影響半径: 2 ㎜
境界の影響半径: 0.5 ㎜ ←変更

境界の影響半径のみ 0.5 ㎜ にしました。境界からのサポートアンカーの距離が小さくなりました。


くどいようですが、実際のパーツは単なる平面だけではないので、ここまででサポートアンカーの位置を決めたら解析の他のパラメータを調整してサポートアンカー位置を仮決定していきます。とは言いながら、思ったような位置にサポートアンカーができない場合もあると思いますので、その際は別途お話しする「変更」で手動ですが調整することになります。


次回は、「作成」タブをご紹介します。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんのご参考になれば幸いです。

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