2022年2月4日金曜日

自治体が支援するものづくり関連情報 3 岩手/宮城

公設試における3Dプリンタ―関連技術支援情報第3段です。なんとなく北から追っていますが、今回は岩手と宮城から3施設を取り上げます。
と、その前に、、、
多くの機材を所有する公設試では機材の一覧や検索システムを提供していることが多いですが、機材の名称って企業や人によって様々です。たとえば、3Dスキャナ―であれば、ぱっと調べただけでもこれだけ名称があります:

3Dスキャナ― 3Dスキャナ 3Dデジタイザ デジタイジング装置 3D形状測定器 非接触測定器 三次元測定機

3Dプリンタ―でもこんなかんじです:

3Dプリンタ― 3Dプリンタ 光造形機 積層造形装置 三次元造形機 三次元積層造形機

そもそも「3D」と「三次元」のどちらを使うかということも場合によって様々です。そこで、調べる際は "3D" や "三次元"、"測定" など短い単語を使うと、"3Dスキャナ―" の用に限定するよりも幅広く検索されるので検索漏れの心配が減らせます。
各企業のサイト内の検索機能ではなくGoogleなどの検索エンジンを使ってWEB全体から調べる場合、単語同士をスペースをいれて AND でつなぐと、すべての単語を含むページを検索できます。
例えば 
"3D" AND "造形機" AND "工業技術センター"
のようにすると 3D造形工業技術センター の3つの単語を含むページが検索されますので、短い単語を使っても不要なページが検索されてしまうのを減らすことができます。
また、
"3D" "三次元" AND "造形機"
とすれば、3D と 造形機 または 三次元 と 造形機 という2パターンのどちらかを含むサイトを検索できますので3次元に絞った造形機を広く検索することができます。
単語をダブルクォーテーション " " で囲むのは、これが1つの 塊=単語 であることを明確に検索させるためです。検索の仕方で結果がだいぶ変わりますので、なかなか検索で欲しい情報が見つからないという場合は試してみてください。

さて!前置きが長くなりましたが本題にまいりましょう!

岩手県工業技術センターは写真で見ても非常に大きな施設という感じを受けますが、設備も製造向けの大型機を揃えるなど充実していて、3Dプリンタ―としては 610x610x500 (mm)という大型の造形が可能な SLA(光造形:液体樹脂を光硬化させるタイプ)と、FDM(チューブ状の樹脂を溶かして積み上げるタイプ) が紹介されています。
SLA は光造形とかラピッドプロトタイピングとかとも呼ばれているもので、歴史が長いだけあって材料や技術にも安定した性能が見込め、自動車関連や家電、コネクターなど幅広い産業で、透明性を活かしたパーツやプロトタイプの制作に実際広く使われています。FDM は今や小型のホビー用の安価なものから大型で製造用まで幅広くありますが、こちらには406 x 355 x 406 (mm)と大きなものが作れる機種が設置されているようです。

こちらではデザインツールとして Geomagic FreeForm Plus がリストされていましたので、プリンタ―ではないですがちょっとご紹介を。
Geomagic Freeform は3次元のモデルを作るソフトウェアですが、マウスの代わりに ハプティクス と呼ばれる特殊な器具を使います。このデバイスを使うと、PCの中で作っているモデルを触っている感覚が手に返るようになっていて、直観的に作ることができるようになっています。また、3Dプリントするためのデータの修正にも効果的です。最近のバージョンでは DICOM データから3Dモデル化する機能もありますので、CTスキャンしたデータを三次元化したいという場合にも利用できます。DICOMからの3Dモデル化に悩まれている方は一度お試しを。


同じく岩手県の北上市産業支援センターでは、三次元測定機として接触型(モノに測定器具を当てて測る)の大型測定器を設備されているのですが、このセンターでいいなあと思うのは設備がそれぞれ動画で解説されているところです。例えば三次元測定機であればこんな感じで紹介されています:北上市基盤技術支援センターYouTube チャンネルより


貸し出し器具全般は北上市産業支援センターのWEBサイトでリストされていますが、リストの中からこれらの動画にアクセスして再生することができます。
どんな機材なのか詳しく話されていますし、サイズ感もわかりやすいです。個人的には技術の方が直接話されているところに親しみを感じます (^^)


宮城県産業技術総合センターでは、3Dプリンタ―も複数設置されているようですが、こちらも動画で2つの異なる種類のプリンタ―が紹介されています。1つは上述した SLA(光造形) です。こちらは動画の紹介がありましたのでどういうものが光造形なのかが分かりやすいです:

また、スーパーエンプラやエンプラ材料を造形できる機種としてFDM式の造形機も紹介されています:

最近ではプリンタ―そのものだけでなく材料の開発も進んでおり、耐熱や耐紫外線など、強度のある材料が次々と発表されています。高性能な材料の造形が公設試でテスト造形できると強度試験まで含めて行えて助かりますね。

宮城県産業技術総合センターでは各種研修も充実していて、多くの研修情報が公開されています。動画制作のための講座や、工場の自動化のために必要なステップの情報を提供する講座など興味深いセミナーがオンラインで企画されているようですのでこちらも注目です:

※各施設での設備や研修等の情報は更新されることがあります。最新情報を施設ウェブサイト等でご確認ください。

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