2010年1月29日金曜日

口唇口蓋裂病の赤ちゃん治療にSLSが活躍 - 「新技術への挑戦プロジェクト」で1位に!

アメリカ マサチューセッツ州のShriners Hospital for Children は、口唇口蓋裂病の赤ちゃんの病気の治療のために、成長に合わせた口蓋補助パーツを3D Systems社のSLS(Selective Laser Sintering:粉末レーザー焼結装置)で造形し、新しいデジタル技術を使った治療方法の開発に成功しました。

これにより、3D Systems社は、2009年12月にDesktop Engineeringの「新技術への挑戦」というカテゴリーにて、ソフトウェア・メーカのGeomagics社とともに、このプロジェクトで一位に選ばれました。

新手法の流れは、以下のようになります。
  1. 患者の赤ちゃんの口腔内の印象(型)をとります
  2. それを3Dスキャンでデジタル化します
  3. Geomagicsのソフトウェアで、まず現在の上顎部の形状をデジタルで再生し、そこから理想的な(術後の)形状までの間を補間する、様々な形状を設計します。
  4. SLSシステムでそのデータを何十種類も造形し、治療の器具として使います
治療は通常、1カ月の頃から10~15週間続くので、赤ちゃんの成長により、その間にサイズや形状が変わります。その変化量も正確に設計し、造形することができました。


従来の治療方法に比べ、この新手法によるメリットは
  • 低浸襲(赤ちゃんへの負担が少ない)
  • 作業が早く、無駄がない
  • 麻酔を使わないので、麻酔による事故のリスクがない
  • 正確で、繰り返しができる

などいろいろあり、今後も期待されています。

日本では、500人に1人の割合で、口唇口蓋裂病の赤ちゃんが生まれるそうです。欧米は、700-1000人に1人ですので、アジアでは多いようです。

★オリジナルの記事はこちらまで:
http://www.deskeng.com/articles/aaatef.htm

Philip Stoddard 医師と、口唇口蓋裂病の赤ちゃん 


Geomagicsのソフトで設計した、術前、術後シミュレーションデータ

SLSシステムの造形パーツ 経過毎に多数作られ、治療器具として使われた

手術後2カ月が経過し、すっかり元気になった赤ちゃん♪

IndustryWeek 最新号より 記事のご紹介

最新のIndustry Weekよりラピッドプロトタイピングに関する記事をご紹介します。

Beam Me Up a Part, Scotty
By Peter Alpern
Jan. 20, 2010

★オリジナル記事:
http://www.industryweek.com/articles/beam_me_up_a_part_scotty_20808.aspx?ShowAll=1&SectionID=4


指紋と同じように、人間の耳は形も大きさもみな異なります。そのため、補聴器をカスタム化して各個人の耳にフィットさせるということは、長年の間、非常に大変で面倒な仕事でした。

しかし今日では、患者の内耳形状はデジタイズされ、CADCAMソフトに簡単に取り込めるようになってきました。数時間後には、ぴったりフィットするカスタムの補聴器のシェルがフォトポリマーから完成します。これを可能にしたのが、先進的なラピッドプロトタイピングです。

技術的にはラピッドプロトタイピングは25年以上前に開発され、当初より製品開発を飛躍的に向上させるとして期待されていました。エンジニアが即座に物理的なモックアップを手にすることができるからです。最新の傾向としては、ラピッドプロトタイピングを利用するのがエンジニアだけでなくなってきており、さらにプロトタイプ(試作)以上のことができるようになってきています。

「この技術はハードルを乗り越えながら、ラピッドプロダクションという分野で活用されつつあります。これは精度や再現性や耐久性などが向上された結果です。」スリーディー・システムズ社のCEO Abe Reichentalは言います。「これは、ラピッドプロトタイピングが現在、様々な材質のマテリアルに対応するようになった成果です。」

「補聴器の製造もその1つです。技術が製品開発に自由度を与えたのです」

「バイオメカニカルな材料を組み合わせたことにより、補聴器デバイスというユニークな分野に適合するようになりました。実はデンタル分野でも、クラウンやブリッジなどの製造にこの技術が利用されてきています。」

ラピッドプロトタイピングは1980年後半に自動車産業でまずブレークしました。現在ではこの技術はより広い応用分野で様々なユーザにより使われています。

例えば医療分野では、CTスキャンで取った患者の膝の骨のデータから、その代替物(インプラント)を製造しています。また航空業界では、飛行機のエアダクト、パネル、ダッシュボード、導管などの製造にも活躍しています。

ラピッドマニュファクチャリングにおけるラピッドプロトタイピングの一番重要な利点は、おそらく、設計終了から製造開始までのギャップを埋めることではないでしょうか。例えば、ある企業が、金型の設計から製造を待つ間に、数千パーツが必要な場合、最終工程を待たずに高速にパーツを手にすることができるのです。

ラピッドプロトタイピングもラピッドマニュファクチャリングも、”additive manufacturing”と呼ばれる、材料を積み重ねて作る積層造形技術を使っています。つまり、CADで設計された3次元データを、0.1mm以下の薄いスライス状に切り取り、それを一層ずつ液体状や粉末状のプラスチックなどの材料を固めながら、積み重ねて作っていきます。

ラピッドプロトタイピングは主にサーモプラスチック(熱可塑性プラスチック)を利用しています。すでに非常に様々な材料が開発されており、プラスチック以外にも、アルミからニッケルクロムやコバルトクロムなどの金属材料まで入手可能です。

「この業界はまだ2万種類の材料があるわけではありません」Stratasys社のR&D VPのPaul Blakeは言います。「今のところはまあ、50種類という程度でしょう」

ラピッドプロトタイピングが他の方法と圧倒的に違うのは、パーツが盛り上がってできるということです。例えば一般的である切削加工では、最初に材料の塊を用意し、最終的な形状ができるまで何時間~何十時間も機械で削り取っていきますが、不必要な部分はすべて削りかすとして廃棄物になります。

それに比べて、積層造形技術は“必要なところだけ”を積み重ねて作るので、廃棄される材料が非常に少なくて済みます。

そのため、ラピッドプロトタイピングやラピッドマニュファクチャリングは、非常にユニークな発想なのです。機械加工のように、専用エンジニアが機械の脇に始終付き添って機械の具合をチェックして調整する必要もなく、治具や固定フィクスチャも全く要らないのです。

「ユーザがやることは、3Dファイルをロードするだけ。あとは装置がその形状のレプリカを作ってくれます。従来の方法では考えられません。」Abe Reichentalは言います。「私はこれを、flexible factory in a box(箱の中の柔らかい工場)と呼んでいますよ。

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自動車のヘッドライトの試作。Accura 25 プラスチックを利用。このパーツはそのまま機能テストに利用されます。


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ラピッドプロトタイピングは短時間で数千パーツを作りだし、設計完了から製造開始までのギャップを埋める架け橋となっています。


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ラピッドプロトタイピングはまた医療分野でも活用されています。臀部の骨のインプラントの例。この場合、データはCTから取られ、患者毎に異なるパーツを作ります。

2010年1月27日水曜日

国際宝飾展 ワックスプリンター展示

今日から開催されている、国際宝飾展(ITJ)にて、
ProJet CPX3000 ワックスプリンターが実演展示されています。

■ 1月27日(水)~30日(土)
■ 東京ビッグサイト
■ http://www.ijt.jp/ijt/ 
■ 松村金銀店様ブース:B20-46
■ 入場には招待状が必要ですが、公式ウェブから申請できます。



お伺いすれば、DVDや造形サンプルもいただけるようです♪
CPXの最新情報や、細か~いワックスパーツをご覧ください。

CPXで、誰でも「自分でデザインしたジュエリーを商品化できる時代」ですね。

周りのキラキラ商品にも目がくらむけどーー 自分で作れたら素敵ですね!



http://www.rhinojewelry.jp/projet/html/jirei.htm より引用:

【お客様の声】

”網目模様が、、殆ど無い。。でして、、恐るべし
プロジェット!コントロールソフトのバージョン
アップに伴い、、性能アップしたとのお話でしたが、
目で見ても明らかに以前にお願いしたのと全然
違う訳で、、やりよるな”

【お客様の声】

”早くて綺麗でビックリ!!”

【スタッフより】

”従来の造形WAXではプラチナのキャストは
難しいと言われていましたが
CPX3000のワックスならプラチナでも問題ありません”

2010年1月15日金曜日

ProJetのパーツでプレス成型?

たった今届いた、非常に興味深い情報です!

ProJetで作ったパーツを型にして、
プレス成型ができるということを北米のユーザが実証しました。
つまりCADデータさえあれば、簡単なものなら即日プレス成型品が作れるということ・・・?

我らがProJetの材料が、こんな強い力にも耐えられるというのは、ちょっとした驚きです。

★映像がYoutubeにありますので、ご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=KuiS8IRWZQg

(1) EX200のパーツをプレス機にセット ↓

(2) プレスする金属をパーツの上にセット ↓

(3) ぐぐっと押されて・・・できあがり ↓


2010年1月2日土曜日

A happy new year!

2010年、明けましておめでとうございます。

今年は寅年ですね。Year of TIGER、老虎年です。

2009年はProJet 3000シリーズを日本で発売開始することができました。
ご尽力いただいた関係者の皆様、そしてご導入いただいたユーザの皆様、
本当に有難うございました。

今年は更に3Dシステムズのチャレンジが続きます:

① V-Flashの発売開始!(coming soon)
② ProJet 5000のリリース
③ ProJet 3000シリーズの更なる市場拡大
④ その他新製品の発表・・・

2010年が皆様にとって明るく平和で、そしてまた上昇気流の年になりますように。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。