2018年12月28日金曜日

Geomagic Design X 2019 -UIと使い易さの改善-




Geomagic Design X 2019(以下「DX2019」と称する)の開発で焦点となったものが『速度・品質・使い易さ』です。このテーマに即して刷新された機能・追加された機能があります。
  • Speed: 速度
    ポリゴン使用時に動作しているエンジンが刷新されレスポンスが大幅に向上しました。ソフトウエアの中核となるエンジンに変更をかけたことにより、レスポンスが大幅に向上しています。ここから新たな開発のスタート地点として、恩恵を受ける機能が拡大予定です。
     
  • Quality: 品質
    新しく解析ツールの機能が拡大され、高品質のサーフェースを作成するための支援ツールが追加されました。作成を可能にするための土台となる機能が改善・追加されています。
     
  • Experience: 使い易さ
    ユーザーインターフェイスの刷新と操作性の改善が行われました。使い勝手向上のため機能整理を行い、検査ソフトのGeomagic Control X(以下「CX」と称する)と機能の統一を図りました。機能が整理されたことで、初めてご使用されるお客様にも分かり易くなっています。




 今回は『ユーザーインタフェイスと使い易さの改善』というテーマでお伝えします。
主にリボンレイアウトの刷新と機能が整理されたことにより、見やすく使い易くなっています。操作性として要望が高かった機能が追加されています。

ホームタブのリボンレイアウトが新しくなりました。
多岐に渡る機能が整理され、右から左にワークフローに沿って操作していけば基本的な操作がつかめるように、一般的な操作フローに沿ったツールは位置になっています。

新しくLiveCaptureリボンが追加されました。
Design Xから測定機を直接操作する機能として『Live Capture』という機能がありますが、従来のDX2016ではメニューの中から機能を選ぶというわずらわしさがありました。
DX2019ではCXと同じようにタブから機能を選ぶ操作スタイルに変更されています。これにより使用したい機能に素早くアクセスできるようになりました。




  • アクティブメッシュについて
    DX2016ではスキャンデータが複数ある場合は、編集したいスキャンデータを選択してコマンドを実行するという操作スタイルでした。事前の選択を忘れると、コマンドがグレーアウトの状態で押せないという仕様になっていました。DX2019ではコマンドは常にアクセス可能な状態になるため、スムーズな作業的が行えます。
     
  • モデルのグループ化について
    スキャンデータのグループ化という機能が追加されました。これにより、表裏で測定したスキャン・メッシュデータをグループ単位で管理し、位置合わせなどがやり易くなりました。
     
  • メッシュのレンダリングについて
    メッシュのレンダリングや大きなデータセットを読み込みする際のグラフィックスが改善されています。裏側の表現が暗すぎてよく分からないと言われていたものが明るく改善されました。

無料トライアルとして15日間を制限ない機能の状態で使用することができます。
お問合せやご相談はお気軽にお問合せ下さい。
Geomagic.sales.japan@3dsystems.com


年末のご挨拶
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。 あと数日で2018年も終わろうとしています。少しでも皆様のお役に立つことができていたとしたら、本当にうれしい限りです。来年も引き続きご愛顧いただきますようよろしくお願いいたします。


2018年12月18日火曜日

Geomagic Design X 2019 リリース

3Dスキャンデータからのリバースエンジニアリングソフトウェア Geomgic Design Xの新バージョンをリリース致しました。

今回のリリースではポリゴン処理のパフォーマンス、UIや操作性の改善が主に行われています。
機能としてのハイライトは、何と言ってもアーム式測定器でデータを取得するインタフェースが一新されて使いやすくなったこと。当社の検査ソフトウェア Control Xで採用しているインタフェースをDesign Xでも採用しました。操作に従って次の操作を画面に表示してユーザーが次に何をしたらよいかをガイドしてくれます。

測定器で現物プロープしてサーフェース形状を再現

NURBSを使ったモデリングに慣れたユーザーにとってうれしい新機能としては、スプラインをコントロールポリゴンで編集できるようになったことではないしょうか。コントロールポリゴンはNURBSの制御点のことで、コントロールバーテックスなどとも呼ばれる制御点で、スプラインの形状を間接的に編集することで緩やかで微妙な変形をすることができます。

コントロールポリゴンによる編集ではスプラインを局所的にかつなめらかに編集できる

ポリゴン用のスマート選択機能も、一度使うと手放せなくなる便利ツール。Wrapでは同様の機能が前もって搭載されていました。曲率のある箇所をマウス左ボタンでクリックしたままカーソルを動かすことで選択範囲を拡大、縮小することができます。選択はモデリング操作の基本中の基本として何度も使用する操作ですので、選択のしやすさがそのままモデリング効率に繋がるといっても過言ではないかもしれません。

自由曲面部のポリゴン選択が手早くできるようになりました

このほか、Accuracy Analyzerやスプラインの接線調整など、よりクオリティの高いサーフェースを作成するために必要な機能が拡充されるとともに、バッチプロセスおよびスキャンプロセスなど、繰り返し操作を自動化して作業効率を上げるといった機能も追加、改善されています。

Design X 2019は、有効保守をお持ちのユーザー様であればインターネット接続された状態でDesign Xを起動して自動更新することができます。
また使ってみたい、という方は当社WEBサイトから評価版をお申込みください。フル機能を15日間ご利用頂けます。




2018年12月14日金曜日

Geomagic Wrap ちょこっとしたコツ (角度計測)

今日は、3Dスキャンデータから形状再現曲面データを作成するGeomagic Wrap。
Wrap 2017から、断面上で長さ、径、角度を測定する2D寸法が加わりました。そこで、今回はこの機能についてよくある質問から、ちょこっとしたコツをご紹介。

例えば図のような2線のなす角の場合、図のように計測方法は複数有ります。

Geomagic Wrap を使ってこのような角度の寸法を計測するにはキーボードオプションを利用します。
寸法のアノテーションを選択してキーボードのAキーを押すことで、押すたびに図のように計測方向が変わります。


また、Fキーを押すと矢印が反対向きに。


アプリケーション画面の下部のヘルプラインではそのほかのキーボードオプションを見ることができます。


コマンドにはキーボードの Shift や Ctrl、Alt を併用することで特殊な効果を得るものがあります。またコマンドの利用方法やマウス操作についてガイドが表示されますので、操作に迷ったときに役立ちます。

2018年11月29日木曜日

Geomagic Design X 2019 リリースイベント


Design X 2019 リリースイベント

リバースエンジニアリングソフトウェアのデファクトスタンダードGeomagic Design Xがまもなくメジャーバージョンアップを迎えます!

それに先立ち、どこよりも早く新機能をご覧いただけるイベントの開催が決定致しました。新機能の紹介だけでなく、最近改めてニーズが増えてきているリバースエンジニアリングの活用ノウハウを、ユーザー様やパートナー様からもご紹介頂きます。
Design Xユーザに限らず、これからリバースエンジニアリングに取り組もうとされている方、3Dスキャナを買ったけどもっと活用したい方、ぜひふるってご参加ください。

セミナーは東京・名古屋・大阪の3拠点で実施いたします。
お申込み方法等、詳細はイベントページでご確認ください。

お問い合わせ先
 株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン ソフトウェア事業部
 TEL: 03-5798-2510
 geomagic.sales.japan@3dsystems.com

2018年11月16日金曜日

ラティス構造をデザインに応用する



 3Dプリンティングは、従来の製造手法では難しい形状を表現するために活用されることがありますが、この形状表現の一つに『ラティス構造』があります。ラティス構造は格子という意味になります。中が空洞になっている小さなセルで構成され、複雑なため切削加工ができない構造になっています。

今回はラティス構造についての利点やモデリング手法について説明します。


ラティス構造にすることの利点

 ラティス構造はとても特徴のある構造表現のため、新しい分野として注目されています。設計の自由度とクリエイティビティの観点から様々な用途に用いられる可能性を秘めています。その形状から得られる利点は次の通りです。

  • 金属の構造部分に取り入れることで強度を保ちつつ軽量化が図れる
    強度を持った軽量化として航空機部品として活用できる
  • 通気性や冷却効果が得られたり、果撓(たわ)みや弾力性を付与することができる
    スニーカーのアウトソールに活用できる
  • 生体の骨として代用する際に、生体適合性が高くなる
    生体の形状になじみがよく軽量である

いままで諦めていた形状も、ラティス構造を用いれば表現可能になるかもしれません。そこで今回はデザインの分野に展開してみたいと思います。


ラティス構造をデザインに取り入れる




 今回のラティス構造に加工する素材は靴のヒール部分です。
デザインとしてのユニークさもありますが、形状特性を利用し弾力性ある構造として優位性があります。


使用するソフトウェアの紹介



 使用するソフトウェアはGeomagic Freeform Plusになります。
https://ja.3dsystems.com/software/geomagic-freeform

Geomagic Freeform Plus は3Dデータを扱うソフトウェアですが、ボクセルという計算技法を使っており自由度の高い形状を、精度高く表現することが得意なソフトウェアです。



Geomagic Freeform Plusの機能の中に『StructureX』というものがあります。
この機能が選んだ形状に対して、瞬時にラティス構造を作成する機能になります。
複雑な形状でも短い時間で作成することができます。



現在のGeomagic Freeform Plusに用意されているラティス構造の種類は18種類になります。カスタムピースセルとして、一つのピースセルを準備すればオリジナルのラティス構造を作成することもできます。


作成する手順



 セルの形状やサイズなどの設定を決め『適応』ボタンをクリックすると形状が作成されます。意図した形状にならない場合はやり直しも可能なので、設定を調整しながら形状を確定していきます。



最終形状として決まったら、STLファイルとして出力することが可能ですので、そのままの形状を3Dプリンタで出力することが可能です。



いろいろな形状のラティス構造がありますのでぜひお試しください。
無料トライアルとして15日間を制限ない機能の状態で使用することができます。
お問合せやご相談はお気軽にお問合せ下さい。
Geomagic.sales.japan@3dsystems.com

2018年11月14日水曜日

国際航空宇宙展2018東京に出展

スリーディー・システムズ・ジャパンは国際航空宇宙展2018東京に出展(初)致します。

ダイレクトメタル3Dプリンタとそのソリューションを中心として、様々な材料の3Dプリンタ、3Dスキャナ、ソフトウェア、事例やサンプルを交えて新しいものづくりを支えるテクノロジーをご案内します。

会期:2018年11月28日(水)~30日(金)
    10:00~17:00 ※28日のみ11:00開始
会場:東京ビッグサイト アクセス
ブース:8309





2018年11月12日月曜日

PTC Forum Japan 2018 出展のお知らせ


PTCジャパン株式会社主催のPTCフォーラムジャパン2018に出展致します。
パートナーセッションでは「3Dプリンターでプロダクション効率を向上!」と題したユーザー事例と最新3Dプリンティング情報をご紹介させて頂きます。

参加をご希望の方は専用ウェブサイトよりお申し込みください。

日時:11月13日(火曜日)
会場:ヒルトン東京お台場 アクセス
 J新交通ゆりかもめ 「台場駅」直結りんかい線 「東京テレポート駅」 徒歩約10分

2018年11月6日火曜日

「ハプティクス」って知ってる?

「ハプティクス(Haptics)」という言葉を聞いたことがありますか?
Wikiによると"利用者に力、振動、動きなどを与えることで皮膚感覚フィードバックを得るテクノロジー(触覚技術)"とあります。
この言葉がよく使われるのが最近話題のVR/ARです。VR/ARではヘッドマウントディスプレイを被るというのが一般的ですが、コンピュータが作り出した「物」を視覚的に認識することはできるものの、それに触ることはできません。単純なコントローラーでは、せいぜい振動で知らせてくれる程度です。
体験者がコンピュータの中の物体に触れるようにするのが、ハプティクスデバイスです。
実はとてもホットなキーワードになっていまして、先日開催された日本バーチャルリアリティ学会では3日間のセッションのうち、ハプティクスに関するものが一番多いんです。

日本バーチャルリアリティ学会ホームページより抜粋

ハプティクスは時計や自動車などで製品化されていますが、その多くはまさに「触覚」で、物体の表面の凹凸とか、クリック感を認識させる。という微小変形のフィードバックが多いです。一方で、仮想物体を持ち上げたり(重力)、ぶつかったり(反力)する感覚をフィードバックできるデバイスは多くありません。言うならば「力覚」。その力覚デバイスのうち、世界中で最も使用されているのが当社のTouch X(もしくはTouch)です。
3D Systems社製 Touch X

もちろん触覚も表現できますが、それだけではないので他製品と同じようにハプティクスと呼ぶのではなく、「フォースフィードバック」として差別化したほうがよいのか、もしくはハプティクスの流行に一緒に乗っかっておくのがよいのかは、今後のPRで迷うところですね。

このデバイスの初期モデルが発表されたのはなんと1994年。現在のTouch Xも2000年頃にSensAble Technologies社のPhantom Desktopとしてリリースされてからずっとハプティクスデバイスのデファクトスタンダードとして活用されています。
このデバイスの生みの親、Mr. Thomas Massieをご覧になりたい方はこちら!

このビデオでも紹介されていますが、現在も当社のFreeformというモデリングツールのインタフェースとして販売しています。このFreeformは、コンピュータの中のモデルがあたかも手元にあるような感触を得ながら、粘土細工のようなモデリングができるのです。

また、VR/AR業界ではSensAbleのPhantomと言えば知らない人はいないというほどで、ハプティクスの研究をされている研究室にはほぼ導入されていると言っても過言ではありません。

実際に活用されているアプリケーションは、前述のFreeformのほか、医療シミュレーターなどがありますが、それ以外の分野で実用化されているのは多くありません。

もっとリアルなハプティクスを普及させたい。もっと多くの人にハプティクスを使ったアプリケーションを開発していただきたい。
その鍵を握るのが、これも最近話題のUnity(https://unity3d.com/jp)です。Unityは今やゲーム開発に留まらず、様々な3Dアプリケーションを開発するプラットフォームとしての地位を築いています。このUnityにTouchを組み込むためのプラグインを用意することで、より簡単に3Dアプリの中のモデルに「触る」ことができるのです。
3Dアプリのインタフェースに力覚が加わることで、操作性が劇的に向上するだけでなく、より多くのインタラクションを与えることができるようになります。

実際に開発されたプログラムも紹介されています。


Unity開発者のみなさま、ご自身のアプリにハプティクスを加えて、もうひとつレベルアップさせてみませんか!?





2018年10月27日土曜日

いまさら聞けない『リバースエンジニアリング』とは? これさえ押さえればリバースエンジニアリングの全体が分かる!



 今回はリバースエンジニアリング ソフトウェアメーカー担当者として適応範囲が広いがゆえに意外とイメージしづらい、リバースエンジニアリングについて解説していきたいと思います。リバースエンジニアリングというワードはソフトウェアで語られることが多いですが、今回は工業製品を対象としています。

製造過程の逆再生がリバースエンジニアリングです。






 通常の製造過程はというと、設計者が作図した設計図面の情報から形状を部品として生産・製造し、組み上げたものが製品化され市場へ流通しています。

しかし近年では、もととなる設計図面が古すぎたり紛失して現存しない、もしくは図面と実際の形状が違うという問題が起きています。

さらに、既にある製品にアフターパーツを作成しオリジナル製品として販売する事例が増えていますが、これも既製品の設計図面が存在しないという状況となることが多い事例です。これらの問題を解決する手法として、リバースエンジニアリングがあります。このリバースエンジニアリングは現物の部品やパーツを測定解析し、測定したデータをもとに図面化する方法です。

通常の製造過程とは逆の工程で図面作成することからリバースエンジニアリングと呼ばれています。



リバースエンジニアリングはノギスで測定したものを使ってモデリングすることもできます。しかしここでは、最近注目されている3Dスキャナを使った例を紹介していきます。
それではリバースエンジニアリングについて詳しく見ていきたいと思います。

  • リバースエンジニアリングを行う際に必要なこと
  • ソフトウェアはなぜ必要なの?
  • 目的に即した3Dスキャナの種類
  • 扱うデータの種類
  • リバースエンジニアリングの活用先
  • リバースエンジニアリングで禁止されていること
  • 最後に


●リバースエンジニアリングを行う際に必要なこと
 リバースエンジニアリングには専用の3Dスキャナとソフトウェアが必要になります。
現物から設計図面を作成するという作業になるので、まずは形状を3Dデータとして測定する必要があります。


形状を測定するには専用の3Dスキャナが必要になりますが、測定物の大きさ・形状・表面と中身(取付けボス・リブ形状など)の情報が必要な場合など、用途によっていろいろな種類の3Dスキャナがあります。3Dスキャナの種類は大きく分けて6つの種類があります。詳しくは『目的に合わせた3Dスキャナの種類』の項目にて解説します。

測定データをそのまま出力し使用することはできないため、修正や加工を行うためのソフトウェアが必要になります。

それでは、なぜ測定したデータをそのまま出力し使用することができないのか?について解説していきます。


●ソフトウェアはなぜ必要なの?
 3Dスキャナで測定したデータは完全な状態ではないので修正や加工が必要になります。
測定データは点の集まりである『点群』や、三角形(ポリゴン)の集まりである『メッシュ』があります。点群やメッシュは密度によって形状が左右されますので、薄い場所は形状に正確性がなかったり穴が空いてしまったりということが起きます。


そして、一度に360°が測定できる3Dスキャナではないかぎり、複数方向から測定したデータを一つにまとめて合成する必要があります。いざ測定してみると最終形状に必要ない固定用の治具や床面を測定してしまうことがあります。そんな最終形状に必要ではない測定データは削除する必要があります。

3Dスキャナによっては苦手なものがあり、光沢があるものや透明なものは、空中に点群が浮いた状態のノイズが発生しますのでこれも削除対象になります。


測定データの形状が整った状態になり、そのまま3Dプリントする場合は問題ありませんが、きちんとした寸法をもったモデリングを行う場合はリバースモデリングのソフトウエアを必要とします。リバースモデリングのソフトウエアで作図したNURBS データをCADソフトウエアに転送し図面化します。


目的に合わせた3Dスキャナの種類
 3Dスキャナの種類は分類すると6つの種類に分類されます。測定するものや用途で測定精度・測定範囲が決まり、そのスペックを満たす3Dスキャナを決めます。

各種類ごとの特徴は以上となります。

  • アーム型最大2m程度を高精度に測定することができ、3Dスキャナと測定物が固定されていれば位置認識が可能なので合成する作業の手間が省ける。
  • カメラ型アーム型の3Dスキャナよりも高精度な測定ができる傾向にあり、一度の測定で広範囲が測定できる。1回の測定時間が長め
  • ロングレンジ型数百メートルなどの広範囲を測定することが可能。建造物の測定に使用されることが多く測定精度よりも測定範囲が優先される。
  • ハンディ型手持ちの3Dスキャナで1ショットごとの測定時間が短く、多少の動きがある対象物でも対応できる。
  • CT型中身を透過して測定することが可能。取り付けボス穴形状やリブ形状を含め測定物を分解することなく測定することが可能
  • 門型超高精度な測定が可能で検査用途で使われることが多い


●扱うデータの種類



点の集まりである点群、三角形(ポリゴン)の集まりであるメッシュデータを基本として
NURBS データのサーフェースや曲線、ソリッドデータがあります。点群の状態では物として出力し活用することが難しいので、メッシュデータかNURBSデータに変換が必要です。


測定データをそのまま3Dプリンターで出力するということであれば、メッシュデータの穴が埋まっている状態であれば出力可能です。しかし、測定データを参考値として型設計に使用する設計データとして出力したいという場合はNURBSデータに変換する必要があります。メッシュデータのままでは決められた寸法値に変更することは容易ではなく現実的ではありません。


●リバースエンジニアリングの活用先
 多種多様な目的でリバースエンジニアリングが活用されています。代表的な事例として次のような活用先が挙げられます。

  • 長年使用してきた加工機械に突然の故障が発生したため、部品の交換を迫られたものの、その交換部品がすでに生産を終了している
  • 既製品に手加工を加え、当初の図面から形状が変化している。その手加工されたものをベースに金型を作成する
  • 既製品に自社で制作したオリジナルアフターパーツを作成して販売する
  • 配管や機材レイアウト前の建造物を測定し、リバースモデリングした後にレイアウト検討に利用
  • 自然災害などで損傷が予想されるお寺や石像などの歴史的価値のあるものをバックアップとしてデータ保存
  • 倉庫が手狭になり、保管していた金型をデータとして保存しておきたい場合

●リバースエンジニアリングは違法となる?



 製品の分解や解析から構造や仕組みを明らかにすることがリバースエンジニアリングですが、容易に取得できる情報を活用することについては機密情報には該当しません。

この"容易に取得できるもの"というとこがポイントになりますので、市場で流通している製品を分解して調査するということであれば適法となります。しかし形状や構造を測定し、模倣したものを製品として市場へ流通した場合は違法となる可能性がありますので注意が必要です。

リバースモデリングを正しく活用すれば、製造コストや時間の短縮にもつながります。



●最後に
 リバースエンジニアリングのソフトウエアとしてGeomagic Design Xをご紹介します。Geomagic Design Xはリバースエンジニアリング専用のソフトウエアです。寸法が決まっている機械製品から、人間の身体にフィットするような有機的な形状まで、あらゆる物のリバースエンジニアリングに最適なソフトウエアです。


すでに多くの現場で活用されており、機能自体も使いやすく拡充されています。点群からポリゴン/メッシュの編集が得意で、その後のモデリングを行う際に最適なデータを作成することができます。

領域分割という特徴ある機能を使えば、CADソフトウエアと同じような使い方ができますので、既にCADソフトウエアを習得されている方には容易に習得でき、素早くモデリングすることが可能です。

無料トライアルとして15日間を制限ない機能の状態で使用することができます。
お問合せやご相談はお気軽にお問合せ下さい。
 Geomagic.sales.japan@3dsystems.com

2018年10月12日金曜日

セミナー:SOLIDWORKS WORLD Japan 2018 出展


SOLIDWORKS WORLD Japan 2018の東京会場において、SOLIDWORKSと3Dプリンタとの懸け橋となるアドオン、3DXpert for SOLIDWORKSのセッションを行います。

SOLIDWORKSで作成したモデルを3Dプリンタで造形するにはどうすれば良いのか、そもそも3Dプリンタでモノを作るとはどういうことか、なにが今までのモデルと違うのか。そういった疑問や悩みをお持ちではないですか?
セッションではこうした疑問への答えと、3DXpert for SOLIDWORKSがどのように役立てるのかを実際にご覧いただけます。

詳しくはイベント・セミナーをご参照ください。

2018年9月14日金曜日

<お知らせ>「第21回 関西 設計・製造ソリューション展」に出展します。

来る10月3日~5日までインテックス大阪で開催される「第21回 関西 設計・製造ソリューション展」に3D Systems Japanは出展(小間番号:9-44)します。

第21回 関西 設計・製造ソリューション展」
日時:2018年10月3日(水)~5日(金) 10:00~18:00(5日のみ 17:00まで)
会場:インテックス大阪

http://www.dms-kansai.jp/

2018年9月10日月曜日

「ITmedia Virtual EXPO 2018 秋」出展中!

3D Systems は、ITmedia Virtual EXPO 2018 秋「メカ設計 2018 秋 EXPO」(2018年9月4日~28日)に出展しています。
3D Systemsの3Dプリンティング・ソリューション、ソフトウェアをご紹介しておりますので、是非、ご参加ください!

2018年8月31日金曜日

「3Dスキャンデータってこの程度?」

 「3Dスキャンデータがなかなかきれいにできないんだけど」というご相談をよくいただきます。ご相談いただける場合はまだよいのですが、もしかしたら「3Dスキャンデータなんてこのレベルなんだ。」と諦めてしまっているユーザもいるのかもしれません。

 もちろん、3Dスキャナは万能ではありませんのでなんでも完璧にデータ化できるわけではありませんが、中には正しい手順を理解することで今より良くなるケースがあります。

 例えば以下の2つのデータ。オリジナルのスキャンデータは一緒です。でも処理手順でこんなに結果が違ってくるのです。ここでは代表的ないくつかの症例とその対策をご紹介させていただきます。3Dスキャナは「安いから悪い」ということばかりではありませんので、せっかく購入した3Dスキャナの活用のお役に立てれば幸いです。




  • データが二重になっている
     これは本当によくある話です。複数のスキャンデータを合わせてひとつのモデルを作るときに、データの重なっているところの処理がうまくいかないとこのようになります。Geomagicには「統合」と「合成」という2種類のコマンドがあります。統合は単純に2つのデータセットをひとつにするだけなので、メッシュに対して実行してしまうとこのような結果になります。統合は点群に対して使うもので、メッシュの場合には合成を使います。合成であれば重なっているところをきちんと一枚のメッシュにします。スキャナの付属ソフトでも一般的には合成をしているはずですが、それでも重なって出力されてしまうことがあります。これは、各データの位置が微妙にずれていることが原因で起きることが多いです。スキャナの付属ソフトの中にはベストフィット計算があまり得意でないものがあるようです。

     一度合成されてしまうと、それをまた分解することはGeomagicでもできません。そのためスキャナの付属ソフトからは合成する前の状態で出力したものをGeomagicで読み込み、ベストフィットした後に合成をすることで、綺麗なデータになります。




  • 奥行きのある部分が繋がってしまっている
     これは、高さ方向だけを分析する3Dスキャナで取得したデータによく見られるケースです。真上から見たときに格子状に並んだ点を単純に隣同士でつないでしまうため、高さが大きく変化した場合にスカートのようなメッシュを作ってしまいます。もちろん、実際の形状とは異なります。これらのスキャナは1ショットのデータを解析することが主な目的なので、対象物の向きを変えてスキャンした複数のデータを合わせてモデルを作るということを想定していないのでしょう。もちろん、このスカートがある状態では複数のデータの合成どころか、位置合わせすらうまくできません。

     この場合は、Geomagicにメッシュではなくて点群で読み込みます。点群で読み込んで、不要な点であれば削除してからメッシュ化します。Geomagicであればメッシュ化するときにスキャン方向から見た角度やメッシュの辺の長さに限度値を指定することができるので、このようなスカートメッシュを作成することがありません。




        

  • 境界のデータが荒れている
     最後はスキャンデータの境界についてです。これは形状の境界ではなくて1ショットスキャンしたときのデータの境界のことです。よく「跳ねる」と言いますが、形状はそのままなのにデータが反ってしまったりすることがあります。この状態で複数のデータを合成すると、データの形状が違うので境界になっていたところが山脈のように凹凸になって残ってしまいます。

     これも合成してしまうと直すのがやっかいなので、Geomagicに合成前の状態で読み込みます。そしてGeomagicの「境界を選択」で境界部分を一度に選択します。もし跳ねがひどい場合には、「境界からメッシュいくつ分」と選択幅を拡張することもできます。そして削除してしまいます。もちろんデータはなくなってしまいますが、他のデータでカバーできます。光学式のスキャナはデータの周辺部分はレンズのゆがみ等もあって形状精度が落ちるので問題ないでしょう。そしてもう一度ベストフィットをしてから合成します。



 代表的な3つの症例ご紹介させていただきました。何か思い当たるものはありましたか?それぞれ考えながらやるのは大変だな。と思ったら、以下の流れで進めていただけばほぼ大丈夫です。


  1. スキャナはスキャンすることに特化してデータ処理は専用ソフト(Geomagic!)に任せる。
  2. 複数のスキャンデータを位置あわせできるシステムであればスキャナ側でやる。ただし合成はしない。
  3. それぞれのデータをGeomagicに点群として読み込む。(メッシュが信頼できるようであればメッシュでもよい)
  4. Geomagicのオプションを活用しつつメッシュ化する。(メッシュとして読み込んだ場合は不要)
  5. 境界を選択して削除する。
  6. もしスキャンデータの位置が合っていなければここで位置合わせする。
  7. 全体でベストフィットをする。
  8. 合成をする。
    以上です。


これ以外にも「もうちょっと何とかならないかな」と思うことがあれば、お気軽にご相談ください。 Geomagic.sales.japan@3dsystems.com

まずは評価版で試してみようという方はこちら!
リバースエンジニアリングソフトウェアのデファクトスタンダード 
Geomagic Design X

2018年8月22日水曜日

Post DMS Tokyoサイト オープンのお知らせ


6月20日~22日に東京ビックサイトで開催された「設計・製造ソリューション展(DMS東京)」の 3D Systems ブースのプレゼンテーション・デモンストレーションの動画を公開しました。
最新量産型3Dプリンターのご紹介や製造業を賑わす最新トレンドに沿ったソフトウェア製品のご紹介など、皆様のお役に立つコンテンツを配信しております。
DMS東京にご来場いただけなかったお客様、見逃したセッションがあるお客様、この機会に是非、ご覧ください。
DMS Tokyo 2018 (201982日まで閲覧可能)



2018年8月20日月曜日

螺旋の作り方

Geomagic製品のTipsや使い方を紹介するスポットライトウェビナー、その中から今回はGeomagic Design Xで螺旋形状の作成をご紹介します。
キャップやネジなどのらせん状の形状をリバースモデリングするにはどうしたらいいのか、日本語字幕でご参照頂けます。



Geomagic スポットライトウェビナーシリーズは2週おきに新しい動画をご紹介しています。
最新情報をいち早くご覧頂くにはウェビナーの閲覧登録を行ってください。
https://ja.3dsystems.com/geomagic-product-spotlight-series

日本語字幕版は3D Systems JapanのYouTubeチャンネルでご覧いただけます。

2018年7月27日金曜日

STL(ポリゴン/メッシュ)データを軽くする方法

測定データの容量が大きく3Dプリンターへ読み込めない!
測定データを間引いて形状を変えずにデータ容量を小さくする方法についてお伝えします。



3Dスキャナで測定したデータは点群(点の集合体)になっており、取得した点群データの容量が大きいほど形状の再現性も高くなります。昨今の測定機は一度のスキャニングから取得できる点群数が増えており、気付かないうちに大容量の点群を測定していた!ということも起きています。



ついつい、点群の数が多いほど形状の再現度も高いため"よいデータ"であると思われがちですが、データが重いことによる弊害もあります。

・3Dプリンターへデータが読み込めない
・形状を変更するときなどの計算処理にすごく時間がかかる
・ファイルの管理がたいへん

じつは3Dスキャナーで測定したデータには、必要性の低い点群があります。その不必要な点群を削減し必要とされる点群データを残すことで、データサイズを減らすことができます。これにより、3つの問題を同時に解決することができます。

そのやり方について今回はご説明します。
使用したソフトウエアはGeomagic Design Xになります。
Geomagic Wrapにも今回使用した機能と同様のコマンドがあります。



3Dスキャナーで測定するときに同じ場所を複数回往復すると、同じ測定データが重なることで点群の数も多くなり不必要なデータが蓄積されます。そのため必要な点群を確保し、必要のない点群を間引くという作業が工程として必要となります。



しかし、測定データを間引く際の注意点として、減らしすぎると曲率部の形状がショートカットされるようになります。形状が鋭角であるほど頂点部分の点群が減らされることにより、形状が丸くなることで、現物と離れ再現性が失われます。



Geomagic Design Xには、曲率部の測定データを残しつつ全体を間引く『曲率考慮』という機能があります。この機能を使うことにより、形状の再現性を失うことなくデータを軽くし作業性を上げることが可能となります。



容量が大きすぎて読み込めなかったソフトウエアや3Dプリンターへの入出力が可能となります。